ニバルレキレで目指していること。
それは「生きづらさ」 を感じている人たちが、自己肯定感情を高めていく過程に寄り添うことです。
力強く生きなおす。
それを果たしている人に共通していること。
それはきっと、自分の生きてきた月日をありのままに受け入れていること。
明日を生きている自分を信じていること。
今回、ニバルレキレのメンタルヘルス講座では、自分を信じようと苛烈な年月をあがき、闘ってきた、元刺青ボクサー大嶋記胤さんをゲストに迎え、彼のライフヒストリーを過去に出演した番組をまじえながら、番組では語られなかったこと、今の彼の心の声を語っていただきました。
誰もが自分を信じる力を持っている。
信じ、そして前へと進む力を持っている。
そして人に優しくあろうとする。
人を愛そうとする。
誰もが。
たとえそれが今日でなくても。
かなしみや痛み、生きてきた歴史は一人ひとり違います。
紡いでいく物語も一人ひとり違います。
でも人は、心に本気で響く言葉は、わかちあうことができる。
心に本当に届くもの。それは言葉ではなく、湧きあふれる誰かの心なのかもしれません。
大嶋さんの話にも、誰もが涙し、笑い、自身の抱える葛藤について語り、大嶋さんに疑問をぶつけ、心の奥が震えていなければできない会話が会場に生まれました。
本気で誰かが生きる場所には なにかが生まれます。
一人ひとりが、今日を生きている。
自分を信じようとしながら。
今回、彼の話のどこに、人は心を震わせたのでしょうか。
それは、やはり一人ひとりの生き様によって異なるでしょう。
その震えた何かを、参加者の皆さんに、ぜひ大切にしていただければと思っています。
それが、きっと明日からの道標となることでしょう。
私の場合ですが、それはなんといっても、彼の優しさです。
自分を、大切な人を、愛したいと願いながら生きてきた道程と、その中で彼の見つけた喜びです。守りたいものを見つけた彼の強さです。
「僕は体験したことからしか話せない」 その言葉が大嶋さんの 「二度と自分や人を裏切らない」想いと
重なって、大きな感情のうねりが私の中に起きました。
彼を知ったのは、彼をドキュメンタリーで撮り続け、今回も会場で撮影をしておられた写真家の林建次さんの本からでした。
闘い続ける彼の姿の中に見えた「祈り」。
その祈りのたどり着きつつある場所を、大嶋さんに今回は語っていただけたように思います。
これからもニバルレキレでは、大嶋記胤さんとのイベントを続けていきたいと考えています。
そして、メンタルヘルス講座においても、一貫してこだわり続けてきた、「人が何かを背負い、あるいは喪失した場所」から、生きる希望を取り戻すまでの過程を、様々なテーマで、当事者の方に語っていただく、そんな講座を続けていきたいと思っています。
第11回のメンタルヘルス講座は4月開催の予定です。
皆様、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
そして、大嶋さん、会場にいらしてくださった皆様、撮影してくださった林さん、本当にどうもありがとうございました。
代表:小山えり子
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