【南アフリカ】
エイズ孤児の少年。何年も母親のお墓に通い続けた。
いろいろなNGOスタッフが「お墓から卒業しないと、前へ進めない」と心配し続けた。
たぶん今も彼はまだ卒業できていない。
でも人生は流れていく。失くした者と自分との再生の物語ができて初めて人は癒される。
いつか彼の中で、きちんと母親の人生と自分の人生に意味があることに気づき、目の前に生きる命のために前へ前へ、歩いていける日をずっと待っている。
ずっと彼は母親を亡くしてから、仲の良かった私のことを「ママ」と呼んでくれている。でもだからといって、ママの役割をしっかりととれる訳ではないし、彼も本当の「ママ」との心の中での会話の仕方を今も見つけられずにいる。
ただ、できること。それはずっと一緒に生きていくことだけ。ずっと。
(小山)
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