南アでの貧困者に広がる薬物依存の問題

【2011年10月24日 ジョハネスバーグ発】

 

アフリカの最南端に位置する南アフリカ共和国は近年著しい成長を遂げたが、その好景気の裏で、最大都市ジョハネスバーグやケープタウン、その他の地域では、若者の注射による薬物乱用が問題となっている。

 

薬物使用者は貧困により通常使用している薬物が入手できない場合、より安価で危険性の高い調合薬物を使用する傾向にある。

 

南アフリカ共和国のクワズールー・ナタール州などでは、数年前からエイズ治療薬(抗レトロウイルス薬 ARV)とマリファナ、安価なヘロインを調合したフーンガという薬の使用が広がっている。

 

同国ではあらゆるものを薬物に調合しておりARV薬までもが調合に使用されている。 フーンガ使用者によれば、薬によって自分のあらゆる問題を忘れることができる、という。

 

しかし、薬の効用は長く続かないため、1日に少なくとも2、3回飲む必要があり、一日あたり200ランド(約2000円)費やすこともある。 しかし、フーンガを調合するためにARV薬を病院から盗む人、HIV陽性者から買い取る人や強奪する人まで出ており、事態は深刻さを増している。

 

南アフリカ共和国政府は、ARV薬は費用がかかることから2008年までARV治療に関する政策を制限していた。現政府はARV治療に積極的に取り組んでいるが、その治療薬が麻薬の調合に使われ、薬物依存を増やすという予想外の副作用をもたらしている。

 

南アフリカ共和国ではおよそ600万人以上がHIVに感染しており、80万人がARV薬による延命治療を受けている。ジョハネスバーグのある病院の院長は、「フーンガの使用者が増えれば、ARV薬精製に必要な原薬にも制限が出てくるであろう。」と懸念している。

 

南アフリカ共和国のスラム街に住む若者たちが使用しているもう一つの薬物にニャオペがある。ニャオペはその効果を高めるためにネズミとりの毒を混ぜることがある。

 

その他、痩せる効果があるとして販売されているチックという薬物の使用者も増えている。 チックを服用すると、顔はやつれ、目はくぼみ、髪や肌も健康的ではなくなり、口の中や周りに痛みを感じるようになる。

 

薬物依存者は薬による「ハイ」状態を求めて、詐欺行為や窃盗を働いて薬を入手している。

 

南アフリカ共和国ではコカインやヘロインが高価なため、こうした安価な薬物の使用が広がってきている。

 

薬物ビジネスには、ナイジェリア人や少数のタンザニア人などの外国人も関わっている。

 

ジョハネスバーグのスラム街に住む黒人の若者や、他のアフリカ諸国からやって来た貧困な外国人たちが薬物の被害者となっている。

 

 

原題:News: Africa: ARVs Abused 'To Get High'

出典:The Citizen

日付:10/22/2011

URL:http://www.thecitizen.co.tz/sunday-citizen/40-sunday-citizen-news/16396-arvs-abused-to-get-high.html

 

(グローバル・エイズ・アップデイトより)

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