エイズ孤児カテホのお話

カテホのお母さんはマーサ。
マーサは声なき死者。
私が出会う前に彼女は亡くなっていた。

そして家族は、彼女のことを話題にすることは、ほとんどなかった。

まだ悲しみをどう整理してよいかわからない、そう家族は言った。


マーサの遺した一人娘がカテホ。
父親がどこにいるのか、今となってはわからない。
カテホは、無口で賢く、ときとしてユーモラスな女の子。
エイズ孤児のカテホは、地元で「ハートビート」というエイズ孤児のための活動をしている団体に登録された。
「ハートビート」ではピクニックやクリスマスに誕生日祝いなどたくさんのイベントがエイズ孤児に用意されている。
小学生からは放課後のアクティビティが始まる。
ハートビートの活動に参加することが、カテホは大好き。
家では体験できない、楽しいイベントや、お腹がいっぱいになる食事もあるし、いろいろなことを教えてもらえるから。
ここで友達もたくさんできた。

カテホが引き取られた家庭には他にも子ども達がたくさんいる。
その子たちは、お母さんはいるけれど、お父さんがいない。お母さんには仕事がない。
貧しいこの家庭では、何も彼女が体験するような娯楽がなく、衣類も足りず、お腹をすかせている。
カテホはどうしたらいいかわからない。
だって彼女にはどうすることもできないのだから。


カテホは家に友達を連れてこない。
連れてきてはいけないような気持ち?自分でもよくわからない。

家庭では、叔母さん二人がどうも、いがみ合っているみたい。
ジェラシーとか言ってた。
ムハディおばさんはいつもため息をついているし、マリア叔母さんはお酒を飲んでいる。テボホおじさんが一番やさしくてホッとする。

それから学校。私は勉強するのが大好き。学校はとても楽しい。将来は警察官になりたいな。

おじいちゃんが、私と一緒に寝てくれるようになった。それまではムハディおばさんの部屋で、床に1人で寝ていて辛かったけれど、おじいちゃんのベッドはあったかい。おじいちゃんは、とっても優しいのよ。

ママは死んだ理由はエイズ。どうしたらHIVに感染するのか、知ってるわ。
ハートビートが教えてくれたもの。私は、ママのようにはならない。
ちゃんと感染しない人生を送る。
だからって、ママが嫌いなわけじゃない。
ママは大好き。これまでも。これからも。

私、生理が始まったので、もうおじいちゃんとは一緒に眠れなくなったの。
でもそれは私たちの文化では自然なことだから、大丈夫。
キーレたちとも、姉妹みたいに仲がいいのよ。
この家には子供がたくさんいるからさびしくない。
ときどき、ちょっと考えちゃうけれど・・・

だって、いつも貧乏だし、私だけ親がこの家でいないし・・・
迷惑かけていないかしら。


最近ムハディ叔母さんとキーレたちは、別にご飯を食べているの。自分のお金で自分達の食事をそれぞれ用意することにしたんだって。
でも、そうするようになってから、マリア叔母さんと、ムハディおばさんの喧嘩は減ったわ。
テボホおじさんは、やさしいけれど、何をして生きているのかしら?

おじいちゃんには長生きして欲しいな。
おじいちゃんがいるのと、いないのとでは、この家は全然違っちゃうと思うから。

いつかお母さんのお墓参りにも連れて行って欲しいなって思っているところよ。


ニバルレキレが大切にしていること。
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3000円で1人のエイズ孤児を1ヵ月サポートすることができます。
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貧困地区や施設のエイズ孤児を支援
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