南アフリカ共和国保健省、増え続けるレイプに対抗策


南アフリカ共和国では、少女や女性に対するレイプは、以前から大きな問題となってきた。保健省は、性暴力の証拠を収集する態勢をさらに整える必要がある。南ア最大の都市ジョハネスバーグに住む若い母親、ゾエ・ハリスZoe Harrisは、これまでに2度レイプされた経験があるが、どちらのケースにおいても裁判は行われなかった。ゾエは、司法制度に対しいかに失望したかを語る。

「私は夫と交番に行き、待合室で待たされましたが、周りには男性が大勢いたので、そこから逃げ出したくなりました。体を洗い流し、自分の身に起こった全てを忘れたかった…」

「女性警官が事情を聞きましたが、署名することも、記録を取ることもありませんでした。彼女に犯人を知っているかと聞かれ、知らないと答えました。すると彼女は、捜査の必要はない、犯人が誰か分からなければ、逮捕できる可能性はないに等しい、と言いました。とてもショックでした。その後、病院に行きましたが、被害届の番号を持っていなかったので、医師は私を診察してくれませんでした。それから家に帰って、お風呂に入ったので、証拠は全て消えました。」

最初の事件で、ゾエの警察に対する信頼は崩れてしまった。

「2度目にレイプされた時は、誰にも話さず黙っていました。最初の事件の後、思ったのです。なぜ警察に届ける必要があるの?って。」

ゾエは、自分がHIVに感染しているかもしれないと心配していた。

「HIVとエイズのことが非常に心配でしたが、幸いなことに、結果は陰性でした。多くの被害者が、一度目は加害者から、二度目は助けてくれるはずの警察からレイプされた、と話しているのを聞きましたが、それはまさに、私が経験したことです。耐え難いものでした。」

南アフリカ医療協会 South African Medical Association(SAMA)が運営する、専門能力育成基金 The Foundation for Professional Development(FPD)では、レイプ被害者に対する診察の改善に取り組んでおり、被害者へのカウンセリングや、立件に役立つ法医学的証拠の収集について、医師のトレーニングを行っている。

「医師は、暴力の被害者に関わることをひどく嫌う。事の成行きや裁判の結果に不安を感じるからだ。彼らがレイプ事件に関わろうとしない風潮を変える必要がある」と、FPD局長グスタフ・ウォルハード博士Gustav Wolvaardtは語る。

南アフリカでは、法医学的証拠を収集する技術を身につけた医師が不足している。

ウォルハード博士によると、第一段階では、最大3,000人の医師に対しトレーニングが行われる。

「トレーニングのおかげで、公務員医師が救急病棟で証拠の収集をするようになった。また、若手医師の育成や保健専門職評議会への働きかけも行っている。医学部生向けのトレーニングも作成中で、将来的には、卒業したすべての医師が証拠の収集方法を身につけることになる。」

プログラムは、スウェーデン国際開発協力庁との協力により進められている。在南アフリカスウェーデン大使のピーター・ティレル氏Peter Tejlerは、性犯罪者の訴追は、女性たちにHIVが蔓延することを防ぐためにも必要だと語る。

「南アフリカにおける性暴力の発生率は非常に高く、26秒に一人の割合で、女性がレイプされている。年間5万5千件が警察に通報されているが、届け出なかったり、警察等の機関が届け出を拒否したりしているので、実際の数字はおそらくその9倍ほどになるだろう。4分の1の女性が虐待を受け、6日に1人の割合で女性が配偶者に殺されている。若い女性がHIV感染の危険にさらされ、性暴力が高い割合で起きていることは、明らかだ。」

原題:Health Sector to Stand against Rape
出典:Health-e
日付:9/8/2011
URL:http://www.health-e.org.za/news/article.php?uid=20033248

 

(グローバル・エイズ・アップデイト    
GLOBAL AIDS UPDATEより)

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