ジェノフォビアは日本語では外国人嫌悪(がいこくじんけんお)および外国人恐怖症(がいこくじんきょうふしょう)と訳されています。外国人や異民族などのアウトサイダー(よそ者)と見られている人や集団を嫌悪、排斥あるいは憎悪する気質を指します。
南アフリカでは格差社会の中で鬱積(うっせき)されたストレスが外国アフリカ人に向けられることが多く、暴動やリンチが起きることがしばしばあります。
2008年のジェノフォビアではエクルレニ市の各タウンシップで避難所が立ち上がりました。
複数の避難所の状況をリサーチして、一番支援が不足していたテンビサというタウンシップの避難所を中心に活動することにしました。
避難所によっては管理体制が厳しいところもあれば、ゆるやかなところもあります。
ニバルレキレがテンビサを中心に活動した理由は、個人的なボランティアが集まったものの組織化されていなかったからです。
若者が最初に集まったもののどうしていいかわからない人もいたので、地域のリーダー的な年長者たちとのミーティングを重ねました。
テンビサでは他の避難所よりも救援物資が届くのが遅れたため、炊き出しや衣類の提供などの支援も行ないました。
避難所のような場所で一番弱い立場に置かれるのは、乳幼児と母親と思われます。
個別に声をかけ、心理面や健康面での相談活動を行いました。
テンビサではモザンビークやジンバヴェ人の避難者が多かったため、南アフリカの永住権を取得しているモザンビーク人家族のボランティア希望の少女に通訳をしてもらいました。
避難所の中では子ども達が自由に遊びまわることができず、ストレスをためています。
絵画その他の遊びの提供をし、子ども達へ楽しみを提供しました。
避難所の中には、治療を受けられずにいたHIVに感染した子どもたちもいました。
そのような子どもたちに治療と家族への支援が届くよう、マネジメントを行いました。
テンビサは広大なタウンシップで、「コミュニティとしてまとまっていない」と言われてきました。
そこに多くの若者が、「何かをしたい」と集まったことには大きな意義があったことを皆で確認しあうことができました。