エイズによって影響を受けていない人は、南アにはいないと言っても過言ではありません。
コミュニティに暮らすすべての人が何らかの形で、エイズの影響を受けて傷ついています。
アパルトヘイトが終焉し、自由を勝ち取ったアフリカ人社会。しかし気づいたときには「音のない戦争」とも言われるエイズが蔓延していたのです。
現在一番エイズの影響を受けている世代は、大切な幼少期・思春期・青年期をアパルトヘイトという特殊な環境下で育ちました。
自立した生活を送るための様々なノウハウ、例えば教育や就職に有利な専門技術を学ぶ機会を損なわれた状態で彼らは大人になりました。
自分や他人を信じ、努力することで何かを手にするという成功体験にも不足しており、成熟した自尊感情の発達やライフスキルを身につけていくことに大変な苦労を強いられています。
今コミュニティが直面しているのは、一部の豊かになった人をのぞけば多くの場合は職業を含めて「どう生きていくか?」という過酷な課題です。
①場所の範囲としての地域の理解。
②つながり・絆のある地域の理解。
③影響を受け与えあっている地域の理解。
地域には、必ず価値や問題に対処する力、成長する可能性がある。
他者からみた必要性と、住民自身による必要性は、必ずしも一致しないこと。
住民自身が望むことを決定できるようにすること。
住民の「問題を解決したい」という気持ちを引き出すこと。
そして自主的な組織やグループを作っていくこと。
問題解決のための方法や見通しを、もてるように支援すること。
多くの人の参加や協力を促し、そしてすでにある団体や組織と協力していくこと。
活動するタウンシップの周辺の社会資源をエイズに関連しないものも含めて可能な限りリサーチし、コミュニティで出会う人たちが、ライフスキルの育成や就業に役立つ情報にアクセスできるように努力しています。
社会資源につながる手続きは代行せずに、当事者である人が行なうようにしています。
「自分たちのコミュニティを自分たちで守る」「コミュニティのために働きたい」という意欲を持っている若者達の出会いの場を作り、活動のきっかけとなる機会を提供しながら草の根活動が誕生するように支えていきます。
活動資金・運営に困っている小規模な草の根団体へのサポートを行ないます。
サポートをする際には必ず事前にその団体の活動へ、一定期間私たちスタッフが参加をします。
エイズにかかわらず、出会った人と十分につきあい、アフリカ人社会の文化や価値観をしっかりと理解し尊重することを何より大切にしています。
そして相手が困難を抱えている場合には、自立のために何が必要かをともに考え、選択肢を探していきます。